歯周病治療


 歯を失う原因は虫歯だけではありません。歯を失う原因の第一位は歯周病だといわれていることをご存じでしょうか。虫歯は細菌によって歯が崩壊していく病気ですが、歯周病は歯の周りの組織が細菌感染して崩壊していく病気です。自覚症状の無いまま進行し、歯を支えられなくなった組織はそのまま大切な歯を失ってしまいます。

 しかし、自覚症状が無くても歯周病のサインは現れています。「歯ぐきから血が出る」「歯ぐきがムズムズする」「口臭がする」これらは歯周病のサインです。早期発見・早期治療が重要ですので、違和感を感じたらすぐに診てもらいましょう。とくに歯周炎になる前に、歯肉炎の段階で食い止めることが大事です。

●歯周病の進行

*家で考えると、シロアリが進行して柱を食べ家を倒してしまう様なイメージです。

 

当院では・・・歯周溝(ポケット)の深さを検査した上で、その患者様に合った治療方法を計画、診断して、治療を行っています。

        スケーリング(SC)、ルートプレーニング(SRP)、ブラッシング指導(TBI)、レーザー治療など

 

        ※虫歯の治療と並行して行うこともありますし、歯周治療中心に行う場合もあります。

 

 歯周病治療終了後、定期健診、PMTC<毎日の自分で行う歯磨きでは落とせない歯の汚れ(バイオフィルムなど)を専門機器、器具を使ってキレイにクリーニングすること>などその方に合った期間毎に来院されることをお薦めしております。

 

#現在、94歳を過ぎても、定期健診を定期的に受けていただているおかげで、御自分の歯でお食事を楽しんでいらっしゃる患者さまたちも、通院されております。

歯肉炎

歯肉溝(歯肉ポケット)にプラーク(歯垢)や歯石が溜まり、歯肉が腫れている状態。主な症状として、歯肉からの出血・口臭などがあり、歯周初期治療を行うことにより、まだ健康な歯ぐきに戻れる状態。

*近年、小児・中高校生も食生活の変化で歯肉炎になっている方が増加しています。

歯周炎

歯肉炎を放置し、歯槽骨まで症状が進んでしまい、骨が溶けるにつれて、歯肉(歯ぐき)も下がり始める。歯肉溝(歯肉ポケット)も深く、プラークや歯石が溜まりやすい。もはや自分の歯磨きだけでは、治らない。重度になる前に歯周初期治療が必要。

*一般に成人の方


「歯肉炎」のうちに治療をはじめれば、健康的な歯ぐきに戻せます。しかし「歯周炎」へと進行してしまうと、長い歯周病治療を終えても、全く以前と同じ健康的な歯ぐきに戻れる訳ではありません。なぜなら「歯周炎」は骨が溶ける病気だからです。だからこそ早期発見・早期治療が重要なのです。

虫歯の治療


 虫歯は歯科において歯周病と並ぶ二大疾患の一つです。歯周病と同じ細菌による感染症とされており、歯周病が歯の周りの組織が細菌感染して崩壊していく病気だとすると、虫歯は細菌によって歯が崩壊していく病気です。糖を得たミュータンス菌(虫歯菌)が酸を出し歯を溶かしていき、う窩(虫歯の穴)を作り、症状を進行させます。

 まだ神経まで達していない初期の状態であれば、健康な元の歯に戻せたり、少し削って白い詰め物(CR)を詰める等の処置で終わります。しかし、初期は自覚症状の無いまま進行し、自覚症状が出始めたと思えば、神経に達するまで虫歯が進行していたという事も少なくありません。こうなってしまうと神経(歯髄)を抜き、根管治療をすることになります。

 

●虫歯の進行

*家で考えると、家が歯で、家が火事で燃えてしまうイメージです。痛い・腫れた・かけた・しみる等、目に見えてその場所がわかる場合で、なお且つ普通ではない状態です。ボヤであれば、すぐに治療は終わります。

 

当院では・・・視診・冷温診・打診・触診・レーザー測定・X-ray(レントゲン)診査などを検査したうえで、なるべく一本でも歯を残す治療法         を考えて、診断して治療を行っております。

 

※虫歯が大きく進行している場合や、破折している場合は、抜歯する場合があります。その方の健康状態、合併症を考え診断して治療を行っています。お子様の場合や、歯科恐怖症の患者様に対しては、治療を開始する前の準備期間・準備治療を行った後に開始する場合があります。

 

初期むし歯は治る

 CO(初期むし歯)とはエナメル質に限局した虫歯で、まだ穴が空いていない白く濁った(白濁)状態の虫歯です。エナメル質からカルシウム等が溶けだしている「脱灰」が起きている状態で、再石灰化を行うことにより、治すことが出来る虫歯です。そのため、早期発見が重要です。

 しかし、痛みが無いため自分では自覚症状がありません。そのため気づかずに、茶色く穴が空いてしまったり、神経まで達して痛みが出たり・・・といった”手遅れ”の状態となってしまうのです。

C1の治療

 エナメル質に限局した虫歯で、穴が空いてしまい、色も茶色くなってしまっています。この段階では痛みはほとんどなく、一回の治療で終わります。

 処置として、感染した部分を削り、白い詰め物(CR)をして、終了となります。

C2の治療

 エナメル質を越えて象牙質まで達した虫歯です。痛みを伴う事があるので、麻酔が必要な場合があります。詰め物も難しい場合があるため、その場合はインレー(白い材料や金属があります)という被せ物をつけることになります。

 


C3以降まで進行している歯の治療

 C3まで進んでしまうと、神経(歯髄)が細菌感染してしまっているので、痛みも出てきます。この場合、神経を抜き(抜髄)根管治療を行っていかなければなりません。根管治療には長い治療期間がかかります。

 根管治療に関しては「根管治療」の項目で詳しく説明していきます。

 

初期むし歯の段階で虫歯を発見出来れば、元通りに治せる可能性が十分にあります。C1・C2の段階であれば、神経を抜かずに済みます。早期発見・早期治療のために、定期受診は大切です。

根管治療


 神経(歯髄)が細菌感染してしまった歯を抜かずに使い続ける(保存)ための、最後の手段が根管治療です。小さな歯の、さらに小さな神経を除去する治療なので精密なワザが必要とされる、難しく高度な治療です。患者さんからは見えない部分の治療になるため、説明が難しい治療でもあります。

 なぜこんなに治療に時間がかかるのかというと、神経は人それぞれ形も太さも違い、さらに極細で、あちこちに枝分かれしています。大根をイメージしてみてください。自然に出来ている大根は食べれる部分にヒゲがあったり、また、三又に分かれているように、根もその形がまちまちです。そのため歯の内部に入った細菌を徹底的に取り除き、隅々までキレイにするには、じっくりと丁寧で時間のかかる治療が必要なのです。コンマ何ミリという精度が必要とされ、治療する側もされる側も、根気がいる治療といえます。

●根管治療の流れ

*家で考えると、家の柱を入れ替えるイメージです。そのままだと家の柱が腐って倒れてしまう状態を、腐っている部分を取り除き、その部分に歯が腐らないようにする為のものを入れ、柱の立て直しをする治療です。

 

当院では・・・X-ray(レントゲン)による診査・打診・触診・視診などを検査したうえで、なるべく歯の根を残す治療方法を考え、根管治療        (RCT)を行っております。

         場合により、マイクロスコープを使用して、破折の有無、歯根の状態を確認しております。

       

        ※虫歯が進行し、歯根の状態が悪い場合、部分的に根を除去したり、抜歯したりする場合もあります。

        ※根管治療(RCT)はその歯の状態により、膿を持っていたり、根のみでなくポケットの方向から並行して、炎症を起こして           いる場合があり、長期間の治療が必要なこともあります。

 

 

抜髄

細菌感染した神経(歯髄)を抜きます。

根管治療

 根管を削って、根気よく感染した部分を、かき出していきます。そして、コンマ何ミリの細かい根管内を消毒し、細菌を徹底的に取り除いていきます。この治療の為に何回か通院して頂く事になります。

根管充填

 充填剤を詰めて(無菌状態に近づけるため)根管治療は終了です。ただし、このままの状態では嚙めません。今度はここに土台を立て、被せ物をつける治療に移ります。


入れ歯の治療


 「歯がある人は長生き」と言われていますが、これには科学的な根拠があり、「入れ歯を使う人」と「入れ歯を使わない人」を比較したとき、「入れ歯を使う人」の方が生存率が高い傾向にあります。

 なぜなら、歯が無いということは、噛むことが出来ない=食事を摂ることが出来ないということになります。すると低栄養になる→筋肉量が減る→運動量が減る→食欲が落ちる→低栄養に・・・といった悪循環に陥ってしまいます。さらに筋肉量が減るということは転倒の危険性もグッと高まります。

 そして歯というのは食事以外にも役割を持っています。重いものを持つとき、力を入れるとき、私たちは無意識に歯を食いしばっているのです。私たちが誰かと会話をする時、歯が無ければ、しっかりとした発音が出来ません。

 おいしい食事のため・栄養を摂って、寝たきりにならないため・楽しい会話のため「入れ歯」は大事な役割を果たすのです。

”現在の体調・歯ぐきにピッタリ合った入れ歯を使用しましょう”

 

●保険の入れ歯

保険 総入れ歯

長所:保険なので安い。

    プラスチックなので調整が    容易。

短所:汚れや匂いが付きやすい。

    壊れやすい。

    熱い冷たいが分からない。

                        厚みが必要。

保険 部分入れ歯

長所:保険なので安い。

    プラスチックなので調整が    容易。

短所:壊れやすい。

    金属があるので見た目が    悪い。

 

    


●保険外・自費の入れ歯

自費 総入れ歯(金属床)

長所:壊れにくい。

    熱い冷たいが分かる。

    保険より厚みを薄くでき     る。

短所:多少重い。 

    自費なので費用がかか                          る。

自費 総入れ歯(金属床・金)

長所:壊れにくい。

    熱い冷たいが分かる。

    他の金属床より薄く出来     る。

    柔軟性があるため、体に     なじみやすい。

                                                   短所:多少重い。

                       自費なので費用がかかる。


自費 部分入れ歯(ノンクラスプ)

長所:弾性のあるプラスチックで薄く軽い。

    残存歯への負担が少ない。

    見た目が良い。

    金属色でないピンク色のバネ(クラスプ)を製作する物もあります。

短所:残存歯が少ない場合は適応出来ない。

    寿命が短く2~3年で作り直しが必要。

    破損した場合作り直しが必要。

                         手入れに注意が必要。(洗浄剤などで変形などの恐れあり。)

                         自費なので費用がかかる。

当院では・・・X-ray(レントゲン)・打診・視診・触診などの現在のお口の状態を検査したうえで、入れ歯をかけるためのバネ(クラスプ)の        歯を形成し、型を取ったうえで診断をし、治療を行います。

         虫歯が進行して噛めなくなった方、入れ歯をなくしてしまった方には、急いで仮義歯を製作する場合もあります。

 

 

 入れ歯の完成まで大体2か月かかると言われていますが、咬み合わせや顎の形、口腔状態などは人それぞれなので、完成まで長くかかる場合もございます。

 また入れ歯は「義歯」といって「義足」や「義手」のようにオーダーメイドです。変化する口腔状態にあわせて、定期的な調整・作り直しが必要となります。